7.プロフトラスト

(東京高等裁判所平成24年4月26日判決,
東京地方裁判所平成22年6月10日判決)

 「スポット貴金属取引」それ自体が違法であるとして関係した従業員に対する請求を全部認容した事例
 控訴審判決は,海外業者への「仲介」をうかがわせる証拠のようなものもあるものの,それは,プロフ社のカバー取引であるかも知れず,やはり本件取引は仲介ではなく相対であり,仲介取引であることを前提とする主張は前提を誤っているとし,このような取引は市場価格の範囲内で行われているものであっても,まさしく「偶然の事情によって利益の得喪を争うもの」である,とし,途中で担当から外れていたから担当であった時期の損害についてのみに責任が限定されるべきであるとの主張(当該従業員が担当であった時期には100万円程度しか損失が現実化はしていなかった)に対しては,「本件取引は前記のとおり公序良俗に違反する違法な取引であり,プロフ社は,組織的な営業行為としてこの違法取引を行っていたものであり,同社が比較的小規模な組織であると見られることも考慮すれば,各従業員がそれぞれプロフ社の組織の一員として同社がかかる営業行為を行うことを支えていたということができ,各従業員は,ある顧客を直接に担当していたといないとにかかわらず,従業員という立場でプロフ社の会社ぐるみの違法行為に加担し」たものとして責任は免れ得ないとし,直接の利得の帰属主体ではない従業員個人に対する請求について,最判平成20年6月24日に照らしてスワップポイントとして支払われた金額を損害から控除しないという原審の判断も維持して控訴を棄却した。

判決PDFAdobe_PDF_Icon1.svg(控訴棄却,業者側の上告棄却,上告受理申立不受理により確定)
⇒先物取引裁判例集65巻222頁
⇒消費者法ニュース95号354頁

判決PDFAdobe_PDF_Icon1.svg(業者側控訴)
⇒先物取引裁判例集60巻29頁

1.K・モンスター
(東京高等裁判所平成20年10月30日判決)
この種取引の取引自体の違法性に関して最も援用されることが多い判決
2.ロイヤルトラストインターナショナル
(東京地方裁判所平成25年12月12日判決)
金地金取引分割払取引業者らに損害賠償を命じるもの
3.オルネフ
(東京地方裁判所平成22年11月4日判決)
凄惨な被害に対する,裁判所の優しさのうかがわれる判決
4.ウエスト・リッチジャパン
(東京地方裁判所平成28年12月26日判決)
CO2排出権取引商法に藉口した詐欺商法について,個別の勧誘担当者のみではなく,業者の営業担当従業員全員に対して,違法行為を助長又は幇助したものとして損害賠償を命じた事例
5.ゴールドリンク
(東京地方裁判所平成29年7月5日判決)
貴金属分割払いまがい取引である「ゴールド積立くん」「プラチナ積立くん」(商標登録を得ているようである)などと称する商法を公序良俗に反するとして損害賠償請求を全部認容した事例
6.あおぞら,海翔物産
(東京高等裁判所平成28年4月13日判決,東京地方裁判所平成27年9月18日判決)
CO2排出権取引をAX Markets Limited社を通じて取り次ぐと称していたこと自体が詐欺に当たるとして損害賠償請求を認容した事例
7.プロフトラスト
(東京高等裁判所平成24年4月26日判決,東京地方裁判所平成22年6月10日判決)
この種商法を行う業者の構成員が個別の関与にかかわらず責任を負うとしたもの
8.アドニス
(東京地方裁判所平成26年7月18日判決)
金地金売買契約について,詳細な検討を加えて公序良俗に違反すると判示したもの
9.ウエスト・リッチジャパン
(東京地方裁判所平成26年12月4日判決)
CO2排出権取引商法を公序良俗に反すると断じたもの。損益相殺の否定,被害者との個別具体的な接触のない構成員の責任,不法原因給付の主張の排斥,和解契約の否定など見るべきところも多い
10.フロンティア・エッジ
(東京地方裁判所平成25年3月19日判決)
この種商法の仕組み自体の違法性について説得的な判示をしている
11.日本デリックス
(東京高等裁判所平成25年4月11日判決)
CO2排出権取引商法に関するもの 12.ネクストライフ
(東京地方裁判所平成26年10月21日判決)
CO2排出権取引商法に関するもの 13.ARAIアセットほか
(東京地方裁判所平成25年11月20日判決)
他社移籍後の取引の拡大についての責任,首謀的構成員の責任,破産・免責を受けた代表者の責任 14.オルネフ
(東京地方裁判所平成22年8月25日判決,東京高等裁判所平成23年1月20日判決)
被害者が亡くなっている場合の適合性原則違反の主張立証に参考になる 15.プロフィット・コム
(東京地方裁判所平成23年11月22日判決)
商品CFD取引の違法性を端的に指摘するもの 16.テクノ(東京地方裁判所平成24年1月18日判決) 商品CFD取引の違法性を端的に指摘するもの。違法性の評価を誤っていたとしても責任は左右されないと判示している 17.K&Kパートナーズ
(東京地方裁判所平成21年10月1日判決)
CFD取引の違法性を端的に指摘するもの 18.ファーストエージェント
(東京地方裁判所平成21年5月25日判決)
スポット貴金属取引の違法性を端的に指摘するもの。取引益金の請求ができないことが明示されている部分がこの種商法の違法性をより強固に基礎付けうることとなった 19.ファーストエージェント
(東京高等裁判所平成20年3月27日判決,東京地方裁判所平成19年10月25日判決)
ロコロンドン貴金属商法についての初期の判決。業者からは判決にかかわらず損害の全部の賠償を受けた 20.あさひアセットマネジメント
(東京地方裁判所平成21年3月25日判決)
貴金属スポット保証金取引の違法性を端的に指摘するもの。違法性阻却事由がないこと,取引が正当なものだと信じていたと主張した勧誘担当者の責任,過失相殺の明示的な否定に見るべきところがある 21.あさひアセットマネジメント
(東京地方裁判所平成21年4月10日判決)
16と同旨 22.K・モンスター
(東京地方裁判所平成21年3月16日判決,東京地方裁判所平成21年6月29日判決,東京高等裁判所平成21年7月15日判決)
ロコ・ロンドン貴金属取引の違法性を端的に指摘するもの。業者の従業員がキャッシュカードを預かって勝手に金を引き出していたことが認定されている 23.ファーストライン(旧商号ジョイコーポレイション)
(東京地方裁判所平成26年11月13日判決)
口座開設後に辞任した役員らの責任を認めたもの 24.プロフトラスト
(東京地方裁判所平成21年10月5日判決)
ロコ・ロンドン貴金属取引の違法性を端的に指摘するもの。スワップポイントを損害から控除していない 25.プロフィットコム
(東京地方裁判所平成21年12月16日判決)
ロコ・ロンドン貴金属取引の違法性を端的に指摘するもの。先物取引の経験がある被害者について明示的に過失相殺を否定している 26.川研ファクター
(東京地方裁判所平成18年12月27日判決)
ニッパチ商法に関するもの。この種商法の違法性を端的に指摘する裁判例は珍しい