ハミングバード・チャリティファンド投資被害集団訴訟

ハミングバード・チャリティファンド投資被害集団訴訟
参加者募集のお知らせ

平成26年8月20日

弁護士         荒 井 哲 朗
同           浅 井 淳 子
同           太 田 賢 志
同           佐 藤 顕 子
同           五 反 章 裕
同           見 次 友 浩
同           磯 雄 太 郎

 現在,Aurora Social Investment(旧商号はAurora Capital Investmentという。以下,「ASI社」という。)が組成した「ハミングバード・チャリティファンド」に出資している投資家から被害回復等の手続をとることに関する問い合わせが多数寄せられている。これを受けて,弊所では,既に数回の集団説明会を経て,集団的に損害賠償請求等の被害回復手続を受任することとしたので,本事案に対する考え方の概要,受任する範囲等について説明する。
また,不特定多数者,特にASI社関係者らも閲覧可能であることから,今後の戦略に関わるような詳細を記述することは出来ない。また,手続の方針は,今後の調査や状況の変化によって随時変更される可能性がある。
内部事情等についての情報提供は,大いに歓迎する。

第1 事案の概要
1 はじめに
本件は,出資をすれば月3%から5%の利益が出て,複利で増えていく,運用益の1割は慈善事業に寄付をするなどと喧伝し,「ハミングバード・チャリティファンド」と称するファンド(以下,「本件ファンド」という。)への出資名下に資金集めが行われたという事案である(以下,「本件商法」という。)。
2 主な当事者
本件の主な当事者の役割分担を概観すると,ファンドを組成したのはASI社であり,本件ファンドの運用益の寄付先がハミングバードチャリティ一般財団法人(以下,「ハミングバード財団」という。)であり,ASI社の取締役かつハミングバード財団の理事であるO氏及びハミングバード財団の代表理事であった故I氏が中心となって組織的に出資者からの資金集めを行っていた。
3 現在の状況
本件ファンドに預けていた資金は,当初は出金要請をすれば引き出せるようになっていたが,平成26年5月ころから,引き出せなくなり,同年7月にはO氏からファンドが崩壊して資金を返せなくなった旨の連絡があり,被害が発覚した。

第2 当職らの見解
1 本件ファンドの概要
本件ファンドは,平成21年ころから募集を開始し,FXの人工知能型システムトレードにより月3%から5%の利益が出ること,複利で増えること,運用益の1割をハミングバード財団に寄付すること,月初の資産を15%割り込んだ時点でソフトを自動停止するため万が一の時でも元本が確保されることなどを喧伝して一般投資家に出資を勧誘したものであり,慈善事業への寄付を謳うことで投資への抵抗感を薄れさせる手口が特徴的なファンドである。
2 本件商法が破綻必至の詐欺商法であることについて
ASI社が喧伝していた利益は,年率にして36%から60%であるが,いかなる金融商品であれ,このような利益を恒常的に上げ続けることなど,経済常識に照らして不可能であって,本件ファンドでは運用益に係わらず運用資金から配当を出す,いわゆるタコ足配当が行われていることが容易にうかがわれる。現に,本件ファンドでは平成26年5月ころまでは基本的に3パーセント前後の配当が出続けていたのに,5月ころに急に配当がなくなるどころか一切の返金もできなっており,適切な運用・配当がなされていなかったことが裏付けられている。結局,本件ファンドは,投資家に適切に利益が帰属しない「金融商品まがい商品」であったと強く疑われる(東京高判平成23年12月7日判タ1380号138頁・先物取引判例集64巻374頁参照)。
3 関係者らの責任
ASI社やO氏は共同して上記金融商品まがい商品に金銭を拠出させるという違法行為をしたものとして,共同不法行為責任を負うべきであると考える。
その他,刑事責任も考えられるが,当職らは被害回復を第一の目的に置き,まずは民事訴訟において債務名義を得ることを目指すこととする。もっとも,刑事責任の追及を全く考慮しないわけではなく,被害回復のために必要であれば,適切なタイミングを計り,告訴等適宜の手段を採る場合もある。

第3 当職らの受任範囲等について
1 はじめに
当職らは,O氏その他関係者らに対して損害賠償請求の訴訟を提起するなどし,最終的には会社及び関係者らに対して破産の申立等をも検討することにより被害回復を図ることを予定している。
2 当職らが受任する被害
当職らは,本件ファンドに出資した被害者を受任対象とする。ただし,第三者に本件ファンドを勧誘し,出資させ,結果被害を生じさせた者については,たとえASI社等との関係では同じ被害者だったとしても,純然たる被害者とは立場が異なるため,訴訟における主張の統一性の要請もあり,弊所では受任できない。また,ハミングバード財団の理事や評議員に名を連ねていた者についても,事情によっては純然たる被害者とはやはり立場が異なってくるため,受任できない場合がある。
また,他の法律事務所等で本件に関する何らかの手続(刑事手続,債権者破産申立手続等を含む)を委任する予定がある者については,それら手続に限定して他の法律事務所へ依頼することは基本的には参加者の判断に委ねるが,一つの被害について同時に複数の法律事務所に委任するというのは,一般的なやり方とはいえないし,無用な混乱を招くおそれもあるので,同時に他の法律事務所等へ委任する場合には,その委任の内容も含めその旨必ず申告されたい。
受任した被害者間(参加者間)で優劣を付けることは,基本的にはしない。ただし,各被害者ごとの勧誘態様によってはそれぞれに固有の事情に基づいて被害回復が得られることもあり得,その場合に,当職らが適切であると判断すれば,固有の事情を有する被害者への被害回復金として優先的に取り扱うこともありうる。
3 損害額
「配当」等の名目で支払われた金銭は損害賠償請求に当たって控除されるべきでないとも考えられるため(最判平成20年6月24日最高裁判所裁判集民事228号385頁),「配当」等名目で支払われた金銭も含めた出資金全額,訴状送達の日の翌日から年5分の割合による遅延損害金及び弁護士費用相当額(出資金全額の1割相当額)を請求するが,当職らは,出資金額から配当金額等を除いた実損害金額が現実に賠償されれば十分に満足するべきであると考えている。「契約」通りの「出資金及び配当金」の支払を期待することは,「認識が甘い」ということを自覚する必要がある。
4 手続追行の方針
被害者が多数いることが予測されるため,一定程度集団的な対応をし,一律に手続を進めざるを得ない。被害回復の程度は,より多いに越したことはないが,この種商法の常として,現実の被害回復が困難となる例が多くある。訴訟等で勝訴したとしても,結局1円も回復できない可能性もある。訴訟前ないし訴訟上の和解をするときには,諸般の事情を考慮して,実損害金額(交付金額)との割合で解決のラインを決定することになる。
なお,被害者の中には,交付金額以上に深刻な精神的苦痛等を受けている者も相当数あると思われるが,集団的,画一的に手続を進め,少しでも早期に解決を図りたいことなどから,慰謝料請求をすることはしない。
いつどのような手続を行うかの選択,和解をするか否か,するとしてその時期,金額等については,当職らが正当であると思うものを選択する。
5 費用
下記2つの報酬体系を併用することとする。一時期,相談のために来所した被害者に対し,より柔軟な報酬体系を示したことがあるが,その当時よりも相談者数が増え,個別の対応が困難になったため,原則一律に扱うこととする。

(1)着手金を「損害」(交付金額から受領金額を控除した金額)の5.4%,成功報酬を現実に被害回復できた金額の17.28%(税込み)とする弊所の通常の体系(ただし,受任時,着手金とは別に実費を「損害」の1%相当額+7万円を受領する。)。
(2)着手金を受領せず,成功報酬を現実に被害回復できた金額の32.4%(税込み)とする完全成功報酬制(ただし,受任時に,実費として「損害」の1%相当額+7万円を受領する。)。
なお,実費とは,印紙代,強制執行をはじめとする諸手続の手続き費用等の経費であり,余った場合には清算時に返還する。大きな実費が必要とされる特別な手続が選択肢として浮上した場合には,その都度依頼者らに相談をする。
不足した場合,追加の実費であるとか費用を徴収することはないが,現実に費消した実費は,現実の被害回復を得たときにはそこから控除することとする(例えば,印紙代や不動産鑑定費用などの実際に費消した費用はその都度請求することはしないし,現実の返金ないし賠償が得られていない場合には事後に請求することもないが,現実に返金ないし賠償が得られた場合にはそこから被害者への送金額を按分計算する前に控除する。)。
どちらの報酬体系を採用するかについては,参加者に委ねる。当職らには報酬体系や費用について多数の問い合わせが連日続いており,対応しきれない状況にあるため,基本的にはここの情報に基づき判断していただきたい。

第4 今後の手続の進め方
1 当職らに損害賠償請求等の手続の委任を希望される方には,追って申込書類を送付しますので,以下のメールアドレスに,氏名・住所を記載して申込書類の送付を求めて下さい。申込書類は,ご連絡をいただいた後1週間を目処に送付します。説明資料をよく読んだ上,関係書類を下記事務局宛ご送付ください。

〒100ー0012 東京都千代田区日比谷公園1?3 市政会館地階
あおい法律事務所
ハミングバード・チャリティファンド投資被害集団訴訟事務局
電 話:03ー3501ー3600
FAX:03ー3501ー3601
メールアドレス:hbcf-bengo@aoi-law.com
家族等に内緒にされている場合には,法律事務所の名称の入っていない封筒を用いるなどの配慮をしますが,依頼していることが絶対に他人に知られないという保証はできません。
なお,訴訟等のために個別に事情を聞く必要がないではありませんし,関係資料や有益であると考えられる情報の提供は積極的にお願いします。
2 申込期限は,平成26年9月16日を予定しています。手続の迅速を要することもあり,期限を過ぎてされた申込は原則として受け付けない方針です。現在のところ原告(依頼者)の2次募集は予定していません。
以上