クエスパラヤ・エターナルファンド事件判決報告

本日(平成27年3月26日),判決の言渡しがありました。
判決は,当方の主張を全面的に採用して請求を全部認容する,素晴らしいものです(いや,本当に!)。
判決の概要は以下のとおりです。
・クエス社の専門的な判断の下で高率の配当金を得られるものと原告らに信じ込ませたが,クエス社は実際には出資金を分散投資することもなく,出資金を受け入れたエターナル社はFX以外では運用しておらず,少なくとも4億円強が使途不明なままになっており,配当開始直後から出資金を取り崩して配当していたことなどから,本件ファンドは当初から破綻必至のものであり,投資を行う者に適正な損益を帰属させることを目標として組成され管理されていたものということはできず,金融商品として不適正なものであった。これを適正な金融商品であると誤信させて出資を勧め出資金を拠出させることは出資者に対する詐欺行為に当たる。
・川崎は,開帳として本件ファンドを組成し,出資させるように仕向けた首謀者と認めることができる。
・阪下及び佐藤はエターナル社の代表者,資金運用責任者として川崎の指示の下で実際に本件不適正ファンドを組成してクエス社に本件ファンドへの投資の勧誘をさせたものとして不法行為責任を負う。
・伊藤は分散投資をしているなどと言いながら実際にはエターナル社に貸し付けており,原告らに対する欺罔行為があったといわざるを得ない。本件のような高利の利息を支払うことができないことは容易に認識し得たというべきであるし,伊藤と川崎・阪下・佐藤との関係からすれば,早晩本件ファンドが破綻することを認識していたものと認めるのが相当である。
・本件詐欺行為は反倫理的行為であり,配当は詐欺の発覚を防ぐと共に,原告らに新たな出資を行わせるための手段であったというべきであるから,配当名下に交付された金員は損益相殺的な調整の対象として損害から控除することは許されない。
・原告らの請求は全て理由がある。

追記:平成27年4月6日:判決は,HPの裁判例部分に掲記しました。