仕組債の問題点1

近時,通貨オプションや仕組債など,デリバティブと呼称される分野の相談が増加している。
そこで,仕組債の問題点について少し指摘しておきたい。

まず,一般投資家は,仕組債の勧誘を受ける際に,「仕組債」などという呼称については聞かされておらず,自分が「仕組債」を購入したなどという認識はない。

つまり,オプション(等のデリバティブ)が組み込まれた金融商品を購入したなどという認識は全くもって有しておらず,ほとんどの場合が高利回りの一般的な債券を購入したという認識しかない。

日経平均リンク債をはじめとする仕組債の商品説明書に記載されている事項を見ても,一般投資家が容易に理解できるのは,発行体が著名な金融機関であり,高ランクの信用格付けが付されていることと,一般の債券と比較して配当が良いということ程度であり,オプションが組み込まれていることを直ちに理解することは困難である。

しかし,一般の債券に比して配当が良いのにはデリバティブ(オプション)が組み込まれているからに他ならない。

日経平均リンク債を例にとれば,実際には購入者がプット・オプション の売りを行ったのと同様の経済的効果(日経平均株価指数が下落した場合,満期日にオプションの買主から権利行使価格で日経平均株価指数を売る権利を行使され,オプションの売主は,日経平均株価指数の下落に応じた損失が生じる。)を有しており,プット・オプションの売りによって得たプレミアムを「クーポン」として得ていることから,一般の債権に比して配当が良いのである。

さらに,組み込まれているオプションは,対象が日経平均株価指数であり一般投資家にも馴染みがあるようにも思われるが,満期までの期間や,ノックイン条項,早期償還条項,ノックアウト条項等が付されている点で,上場されたオプション取引とは全く異なる(経路依存型オプションと呼ばれる)ものであり,その価値を算出するためにはモンテカルロシュミレーション等を用いる必要がある。

したがって,一般投資家が適切な投資判断を行うことがほとんど期待できない商品であるというべきである。

続く

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