スピーシー事件

 スピーシー事件については,調査・情報の集約を進めています。マスコミの取材もおおよそほとんどの大手メディアからなされており,報道も時間の問題でしょう。
 最近寄せられる相談として,まだ集団訴訟に参加できるか,というものがあります。いつまでもずるずる伸ばしていると加害者側の思うつぼでしょうからどこかで区切りますが,まだ参加の意向がある方は受け入れることにしています。
 次に多く寄せられる相談として,様々に乱立している掲示板に書き込まれる情報の真偽があります。当職らは,複数の弁護団・集団訴訟事件を通じて,掲示板に記載された情報のあまりの無意味さを知悉しており,一々そんなもの見ていてどうするんだ,という風に思うわけですが,初期のころは被害者も掲示板などのほか見るところもなく,途方に暮れているのであろうことは理解できます。しかし,「書かれているものが嘘である」というものを読む訓練を普通の人は受けていません。むしろ,読書なんかは,何となく主人公に感情移入するのが良いという方向で教わるわけですからね。ただでさえ荒唐無稽な詐欺被害に遭ってしまっている,すなわち,正常な判断力が備わっている状態にはない,という状態の時に,掲示板などで一喜一憂しても仕方がないでしょう。
 スピーシーが破産するという情報があるけどどうかという泣きそうな声での相談もありますが,スピーシーが破産したところで,何がどう変わるものでもないじゃないですか。単なる資金の受け入れ,計算のための組織であって,現在はただの「箱」ですから,そこからお金が出てくるわけでもなかろうし。むしろ,破産管財人による調査がなされ,関係者に対する責任追及がしやすくなって良いことだ,位に思っておけば良いんじゃないでしょうか。