スピーシー事件:被害回復の大きな進展

 当職らが,スピーシー社の「スポーツブックアービトラージ」詐欺商法について集団事件(弁護団事件)として,平成24年8月31日に訴えを提起したことは広く報道されているところですが,同事件に関し,本日,見るべき進展がありましたので,ご報告します。
 同事件については,平成24年8月31日に原告43名,請求金額2億9145万4130円の,第1次訴訟を大阪地裁に提起し,
 平成25年3月29日,原告28名,請求金額2億5281万0736円の第2次訴訟を東京地裁に提起しています。
 ところで,今般,同事件に関し,スピーシー社及びその関連会社に対する強制執行(差押え命令。東京地裁に4月2日、大阪地裁に5月29日に申し立てていました。)が奏功し,関係者からの和解金の支払いを併せ,合計2億4214万4485円を現実に回復することができました。
 集団訴訟事件の原告らの実損害額は合計3億8040万5369円ですから,実損害額の約63パーセント相当の被害回復をなしえたことになります。
 まだ現在進行中の事件であり,今後も被害回復に向けて手続を進めていくことになりますから,被害回復の経緯の詳細は明らかにすることができませんが,スピーシー事件のような海外業者が絡むあからさまな詐欺商法被害についても,現実に被害が回復できる場合があるということを知らしめ,この種被害に遭ってしまったら詐欺業者を信じ続けて待つほかないと思い込む者が多いという憂うべき現状に少しでも変化を生じさせることができるかもしれないという願いを込め,強制執行の取立金の現実の着金を見ることができたことから(それまではどのような妨害があり得るか分かりませんから慎重に行動していました。),公表することにしました。
 なお,スピーシー事件について当職らは現在のところ新たに委任を受ける予定はありません。