僕の北斗星最終日【最終回】+新規委託者保護義務違反について

1 新規委託者保護義務違反について
 現在,自分は,東京弁護士会の消費者委員会に所属していて,その中の金融商品取引部会の部会長をやらせてもらっています。
 10月の部会では,弁護士の山内先生から,先生が担当された事件の2つの裁判例(東京地判27年2月16日(判例集未搭載),東京高判平成26年7月17日(判例集未搭載))について,報告,解説をして頂きました。
 同裁判例は,いずれも新規委託者保護義務違反を認めた裁判例なのですが,その判断基準が,今後の裁判例でも参考になるのではないかと思われます。
 同じ流れを踏む,東京高判平成26年7月17日先物取引裁判例集71巻192頁(当事務所の太田先生が担当した事件)も含め,ここで紹介してみたいと思います。

 まず,東京高判平成26年7月17日先物取引裁判例集71巻192頁。
 同裁判例は,「もともと平成10年の商品取引所法の改正前は,取引開始から3か月は受託枚数を20枚以内に制限するものとされていたのであって,そのような枚数の制限がなくなったとはいえ,金の先物取引の危険性には何ら変わりがないのであるから,これを大きく超える取引枚数を受注することは,本来相当ではない」と判示し,20枚という枚数規制を1つの基準であるとしました。
 
 続いて,東京地判27年2月16日は,上記東京高判平成26年7月17日先物取引裁判例集71巻192頁を引用し,平成10年の商品取引所法の改正前は,取引開始から3か月は受託枚数を20枚以内に制限されていたところ,現在はそのような制限はされていないとはいえ,先物取引の危険性については変わらないのであるから,20枚を大きく超える取引枚数を受注することは相当ではないとし,1か月を経過しないうちに40枚を超える建玉がなされていた事案について,新規委託者保護義務違反があるとしました。
 そして,控訴審もこの点を是認しました(東京高判27年9月9日(判例集未搭載))。

 このような,取引開始から3か月以内は20枚以内に制限されるべきであるということを1つの基準として新規委託者保護義務違反を判断することが,今後も東京高判の標準になっていくとよいです。

2 僕の北斗星最終日【最終回】
 第2回まで書いて長らく放置していた,北斗星の最終日シリーズ,いよいよ本日完結。
 まずは,時間を平成27年8月22日に戻します…。

 日が西に傾く頃,ニセコから室蘭界隈の黄金海岸に舞い戻ってきました。
 そして,いよいよ感動の北斗星最終列車を迎え撃つ,最終決戦です。

 現地,黄金海岸は,鉄,鉄,鉄の鉄だかり。
 三脚がジャングルジムのように立ち並び,まるでボルダリングをやるような感じで自分の三脚の前に。
 そして,一度三脚の前に陣取れば,そこから出ることはほぼ不可能,前後左右,自由に動けるのは5cmくらいスペースで北斗星を待ちます(自由に動かせるのは首くらいのもんです。)。
 
 なかには砂浜に置いてあるテトラポットに陣取って,北斗星を迎え撃つ人も。
 しかし,そんな彼らを悲劇が襲います。
 みんなが現地で場所を決めたのはお昼前,しかし,北斗星の通過は午後6時過ぎ,そう満潮に近い時間なのです。
 北斗星の通過が近づくにつれ,砂浜の上にあったテトラポットは水辺からわずか出ている程度に…。

 しか?し,テトラポットに陣取った人々は,誰一人として,陸に戻ろうとはせず,沈みゆくテトラポットのわずかな水上部分に三脚を据え続け,北斗星をひたすら待ち続けています。
 「一体どうやって,陸に返るんだ!?」
 そんな周囲の心配を気にも留めず,帰還を前提としない撮影行,すさまじい北斗星愛。
 それはもはや滑稽をとおり越えて,感動的ですらありました(笑)(あっ,やっぱり笑った)。

 このあまりな素っ頓狂な撮影集団に,北海道新聞の記者はシャッターを切りまくり(この方は北斗星は全く撮っていませんでした。)。

 そして,曇りがちな天気も,奇跡的に太陽の沈む方向のみ雲がない!!!!
 これまで幾多のゲリラ雲に惨敗喫してきたが,最後の最後で神様が微笑んだ。

 そして,午後6時過ぎ,はるか彼方に2灯のライトが視界に入る。

 「キ,キ,キタ━(゚∀゚)━!!!!」

 「早く来てくれ」,「いや,行かないでくれ!」,揺れる思いをよそに,最後の,お別れの,本当に最後の最後の北斗星が,ゆっくり,ゆっくりと僕らの前に接近してきます。
 そして,十分に引き付けて,万感の思いで,シャッターを切る!

20151031-4

最後の北斗星 黄金-稀府

 夕日を浴びて輝く北斗星は,いつもよりゆっくりと,一歩一歩,駆け抜けていきました。
 運転手は汽笛を何度も鳴らし,もの悲しいひびきは別れを惜しんでいるようでした。
 白い制服が凛々しい車掌さんも,体中で手を振ってくれました。
 そして,列車内の誰もが,外に向かって手を振っています。
 僕ら撮り鉄達も,「さようなら?」の大絶叫?!(この光景に新聞記者はシャッター切りまくり!)

 みんなに囲まれて,僕らの北斗星は,とうとう思い出の彼方に駆け抜けて行きました。 
 
 そして,これが本当に本当に最後。 
 時代の波に飲み込まれて,消えていった北斗星,今は名状しがたい寂寥感に襲われている。
 しかし,時代の扉の先にまた北斗星が,ブルートレインが現れくれる,そんな未来を信じて。

 本当にさようなら,夜空を駆け抜けたスーパースター達。

 おしまい。

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