判決報告:過失による幇助が問題となった事件

【今日の1枚】

2016.2.13-1

吾妻線:霜取り列車(クモヤ145) 小野上-祖母島

1 判決報告
 詐欺商法に用いられたバーチャルオフィス契約,IP電話レンタル契約に当たって用いられた本人確認書類を提供した者の責任について,先日,控訴審判決(東京高判平成28年1月27日)がありました。

 いわゆる実行行為者とは違うが,違法な(詐欺的)商法へ不可欠な道具を提供した者の責任が問題となった事案です。
 争点は過失の有無で,具体的には,予見可能性の有無,課せられる注意義務の具体的な内容等が問題となりました。

 訴訟の経過は,第1審は,請求棄却,道具を提供した者の責任はないとしました。
 
 しかし,先日出た控訴審の判決(東京高判平成28年1月27日)では,道具を提供した者(全員ではないですが)についての責任を認め,逆転勝訴となりました。
 180度判決を変えたのは,事実認定,事実の評価のあり方でした。
 端的にいえば,第1審は道具を提供した者らの供述を不合理とまではいえないと判断したのに対して,控訴審は,それまでの道具を提供した者らの立証活動等にも鑑みて,同人らの供述を信用することはできないとしました。

 「厳しい壁を,少しずつ削り,ひびを入れ,倒壊させる,その過程として,控訴審における逆転判決」
 荒井先生が,この判決の評価として言った言葉です。
 
 確かに,同裁判例は,本件の事情を詳細に検討して責任を認めた事案であり,先例としての影響力はあまり大きくはないかもしれませんが,まずは一歩,そして,もう一歩と。
 いつかはこういった責任が周知されていく,その先駆けとなる裁判例となるとよいと思っています。
 
2 今日の1枚
 今日の1枚は,上州の冬の風物詩,吾妻線の霜取り列車を紹介してみようと思います。
 吾妻線は,群馬県の渋川から大前を結ぶ路線で,道中には草津温泉や万座温泉の入口となる駅が点在する観光路線です(八ッ場ダムなどでも有名になった地域ですね。)。
 そんなことで,訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。

 そしてこの地域,冬場は赤城颪が吹き下ろす最前線,それはそれは冷え込む地域なのです。
 そこで,冬場限定で登場するのが,冒頭の霜取り列車(正確な車種は「クモヤ145」という)。
 朝の1番列車が走る前に,線路の霜を除去して,列車の安全を確保している大切な列車のなです。
 
 冬の早朝,極寒の中列車を待つことしばし,朝日が橋脚を照らすとすぐに,働き者はやってきました。
 光と影の幻想的なコントラストに抜けるような青空,直前に降った雪も良いアクセントに。
 画像右下にいる1両の電車が霜取り列車です,分かりますか??

 ちっちゃすぎて分かりにくいと思いますので,別の場所で撮影した(ド)アップの写真を。

2016.2.13-2

吾妻線:霜取り列車(クモヤ145) 小野上-祖母島

 鉄道の安全はこういった列車の活動の上に支えられているのですね。

 

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