サクラサイト被害(出会い系サイト)
パチンコ必勝法・競馬必勝法詐欺など

 サクラサイト(出会い系サイト)詐欺,パチンコ必勝法・競馬必勝法詐欺,ロト・シックス詐欺などの詐欺商法被害は,増加傾向にあり,その手口にも,様々なものが現れています。あからさまな詐欺商法ですから,その違法性について取り立てて云々する必要はないでしょうし,被害者がその手口を振り返るなどする必要性が高いとも思えません。迅速な口座凍結(あるいはクレジット契約の停止)によって手続を開始し,加害業者やその関係者らの特定に意を用いた損害賠償手続を追行するべきです。この種の詐欺商法において弁護士が業者に「返金」を求めることはありません。求めるのは,損害賠償です。詐欺商法ですから,当たり前のことです。

 懸念されるのは,二次被害です。もともとちょっとお人好しであったり,気が弱かったりするわけですから,被害回復をしようと決意した後も,適切な法律相談にまでたどり着けずに,さらなる被害に遭うケースが相当数あるものと見られています(訳の分からないあからさまな詐欺被害に遭ってしまうわけですから,「返金!!」キラキラ,みたいなおかしなインターネットのサイトにアクセスして相談しようなどと思ってしまうのだろうとは思いますが,法律相談をする相手である弁護士は「サクラ」ではなく現実の人間ですから,きちんと会って,きちんと話をすることが不可欠です。恥ずかしいと思う必要は,何もありません。)。

1 サクラサイト被害(出会い系サイト被害)

 突然の(迷惑)メールや,何らかの登録サイトからの誘導により,異性や,芸能人などに出会える,相談に乗ってあげることができる,などと思い込まされ,いわゆる「サクラ」(業者側のメール要員)とメール等のやりとりを続けるために費用が必要であるとして次々に金銭を騙し取られるというのが典型的なものです。最近は,(遺産など)お金を受け取って欲しいなどというメールから始まるものが多く見られます。被害者は男女年齢を問わない傾向がより強くなっています。被害金額も(他の詐欺商法に比較すれば少額のものがほとんどですが)多額に上る例が少なくありません。

 メールのやりとりをする中で,被害者の「人となり」が加害業者に把握されますから,気が弱そうだと思われれば難癖を付けて適当な「事故」をでっち上げてそれを解決するための費用がかかるなどとして金銭を要求し,ときに恫喝的なメールを頻繁に送信してくるなどして困惑させようとします。異性や芸能人などとのやりとりを信じ込んでそれを継続したいという希望が強いと思われれば,アドレスの交換に必要であるとか,より親密になるにはほかのサービスに登録しなければならないなどとして金銭を要求してきます。メールのやりとりのみであることがかえって得体の知れない不気味さを感じさせたりもして,そもそもこのような手口に最初に引っかかってしまった人は(色々な意味で)「弱い人だ」として集中的な加害行為の対象となり,追加の金銭を次々と要求してくるのが通例です。

 被害に遭わないためには,訳の分からないメールやサイトには関心を示さないことが一番です。しかし,インターネットからもたらされる情報などを信頼することへの抵抗感の低下は特に若い世代には顕著であり,被害に遭ってしまうのも,仕方がないとも思います。
 被害に遭っている方は,「自分だけが」被害に遭っていると思いがちです。そうではなく,業者にとっては多数の被害者の中の一人であって,特に特定の被害者に固執するメリットなどありません。毅然とした態度を持つ決意をし,弁護士による適切な被害回復手続を進めていくことによって,「この人には手を出さない方がいい」と思わせることも大切です。攻撃は最大の防御ですからね。被害金額が大きくなく,さらなるメールが怖いという場合には,適切な法律相談を受けた上で,「悪者とは関わらない,放っておく」という「考え方の変化」によって,被害の循環から解放されることもできるでしょう。

2 パチンコ必勝法(攻略法),競馬必勝法詐欺,ロト・シックス詐欺

 パチンコ・パチスロの「攻略法」を教えるというものや,特定の遊技店の特定の台を教えるから「打ち子」をしてくれれば一定の報酬を払うというものなどがあります。競馬必勝法やロト・シックス詐欺も同じようなもので,着順を高い確率で的中させる,すでに抽選結果を知っている,当選番号を高い確率で的中させる,などと謳うものです。メール,メールマガジン,インターネットサイト,雑誌広告,スポーツ新聞広告などがこの種の詐欺商法の「入り口」になる例が多く見られます。
 一旦被害に遭うと,より情報の精度を高めるためにはより高いランクの会員になってもらわなければならないなどと言われ,すでに支払った登録料,入会金,情報料などが「無駄になってしまう」と考えてしまい,次々にお金を取られていってしまう被害者も多くみられます。上記のサクラサイトと同じように,きちんと,毅然な態度で関わりを絶ち,賠償を求めるという決意を固めないと,被害の循環に置かれ続けることになります。