裁判例:SNSからLINEグループに誘導する投資詐欺

 SNSからLINEグループに誘導する近時蔓延している投資詐欺について、当法律事務所の所属弁護士が担当した事案で判決・決定に至ったもののうち,実務上の参考になるものとして裁判例集等に掲載され,あるいは掲載される予定のものを中心に紹介します(ただ、この事案類型については、我々の手法もころころ変わることもあり、一般的に参照価値のあるものが裁判例等の形になりにくい面があります。犯罪ツール提供者の責任など、少し前の未公開株商法など劇場型詐欺商法と共通する部分も多いので、そちらもご参照ください。)。

 ご自身の抱えている問題類型に似たものがあれば,弁護士がどのような主張立証をし,相手方がどのような反論をし,裁判所がどのような判断をしてきたかが,概ね理解できるでしょう。遠方の方は,相談をする弁護士に,共通点を持っていると考えられる裁判例を指摘するなどすると,有意な場合もあるでしょう。もっとも,裁判書は難しい言い回しも用いるものですから,無理に読もうとする必要が高いとは思いません。裁判例の調査は,弁護士の基本的な職務ですから,法律相談の場では知らなくても,事件を担当する過程においては入手してくれるでしょうから,心配することはありません。

 なお,このページは弁護士らから問い合わせが多いものについて参照の便宜を図る意味合いも強いため,である調で記載することにします。

1. 口座提供行為者の責任の範囲
(東京地方裁判所令和4年1月27日判決)
特殊詐欺事案において、騙取金の送金先口座の名義人の損害賠償責任を、口座への送金額に限定せず原告の被害全額について認めた事例 2.ミニッツカンパニー
(東京高等裁判所平成25年4月24日判決)
資金移転先口座名義人の責任を全部認容した事例