裁判例:債権回収・強制執行,所在や財産の探知,その他民事訴訟・執行手続

 債権回収・強制執行,所在や財産の探知,その他民事訴訟・執行手続について当法律事務所の所属弁護士が担当した事案で判決・決定に至ったもののうち,実務上の参考になるものとして裁判例集等に掲載され,あるいは掲載される予定のものを中心に紹介します。

 ご自身の抱えている問題類型に似たものがあれば,弁護士がどのような主張立証をし,相手方がどのような反論をし,裁判所がどのような判断をしてきたかが,概ね理解できるでしょう。遠方の方は,相談をする弁護士に,共通点を持っていると考えられる裁判例を指摘するなどすると,有意な場合もあるでしょう。もっとも,裁判書は難しい言い回しも用いるものですから,無理に読もうとする必要が高いとは思いません。裁判例の調査は,弁護士の基本的な職務ですから,法律相談の場では知らなくても,事件を担当する過程においては入手してくれるでしょうから,心配することはありません。

 なお,このページは弁護士らから問い合わせが多いものについて参照の便宜を図る意味合いも強いため,である調で記載することにします。

1.弁護士会照会に対する報告義務
(東京高等裁判所平成22年9月29日判決ほか)
2.ソフトバンクモバイルの調査嘱託に対する回答拒否事件
(東京地方裁判所平成24年5月22日判決,東京高等裁判所平成24年10月24日判決)
3.保険証券番号不特定執行
(東京高等裁判所平成22年9月8日決定)
4.仮装離婚と財産分与の虚偽表示による無効・債権者代位による不動産移転登記抹消登記手続請求
(東京地方裁判所平成25年9月2日判決,東京高等裁判所平成26年3月18日判決)
詐欺的業者の首謀者が妻との離婚を仮装して財産分与をした事案について,離婚及び財産分与は通謀虚偽表示により無効であるとして債権者代位により居宅不動産の所有権移転登記抹消登記手続請求を認容した事例 5.預金にかかる第三者異議訴訟
(東京高等裁判所令和元年11月20日判決,東京地方裁判所令和元年6月26日判決)
第三者異議訴訟において預金が名義人に帰属すると判断された事例 6.判決確定後の被告の住所判明と更正決定
(東京地方裁判所令和元年11月28日決定)
判決確定後に被告の住所が判明した場合にこれを併記した更正決定例 7.訴えの提起における当事者の特定・住所地の記載されていない債務名義の強制執行の方法等
(東京高等裁判所平成21年12月25日判決ほか)
8.詐欺商法業者の代理人弁護士の預かり金に対する強制執行を認めた事例
(東京地判平成29年7月25日,東京高判平成30年2月21日)
9.金融商品取引業者と取引履歴の開示
(東京地方裁判所平成20年9月12日決定ほか)
10.詐欺的取引と裁判管轄(移送の可否)
(東京高等裁判所平成23年6月1日決定)
11.支店不特定執行
(東京高等裁判所平成23年3月30日決定ほか)
12.支店不特定執行(2)
(東京高等裁判所平成26年6月3日決定)
13.預金債権の時間的包括的執行
(奈良地方裁判所平成21年3月5日決定)
14.詐害行為取消訴訟
(山形地方裁判所平成19年3月9日判決)