判決報告

 昨日、株式会社パブリックライジングジャパン(PRJ)という業者が組成・販売したファンドへ出資し、損害を被ったとして損害賠償請求を行っていた事案で、認容する判決が出ましたのでご報告します。

 東京地判平成24年7月9日。
 
 事案は,近時良く見られる,適当な高配当を喧伝し,分散投資をするなどと言っておきながら,結局特定の運用先に運用させており,それが失敗した(運用委託先の再委託先個人が持ち逃げをした)などとして資金の返還をしないという事案です。

 業者側は,この種事案の例に漏れず,運用先が分散投資をしていると言っているのを信用した,一定期間現実に高配当を受領し続けこれを投資家にも配当していた等と主張して責任を争っていました。
 
 本判決は,関連資料に,
 「年間配当率30%配当達成率100%を目標にしています」
 「パフォーマンスが高い,複数の運用会社に投資することでリスクを分散した運用ができます」
 「目標配当を下回った場合に限り,その時点で投資家様のご要望に応じて出資金の中途返還も可能です」
 との記載があったこと
 また、投資先について「投資先A,投資先B,投資先C,投資先D,自社で運用」と表示している図があった
 との認定事実を基に,
 「PRJが作成した資料やパンフレットによると,目標であるとか,元本の保証がない旨が記載されているものの,配当に言及した文言や,その文字の大きさ等の表示の体裁に照らすと,出資者が確実に高額な配当を受けられると容易に誤信しやすい記載方法といえるのであって,このように誤解を招きやすい方法で勧誘を行うことは社会的に相当な範囲を逸脱しており,違法な行為であるというべきである。」と判示し、

 また、PRJは運用先が再委託先に運用を委託していること,どのような運用をしているかを知らないというのであるから,「年間配当率30%」,「配当達成率100%」との記載も根拠がないというほかなく,過去4年間上記の配当率を達成し,償還してきていた実績があるなどというが,運用の実態を把握しておらず,現時点でもその内容を明らかにできないのであるから,運用をして収益を上げていたとはいえないし,実績があったと評することもできないとして業者の主張を排斥しました。

 さらに、出資金の運用の実態が全く明らかでないこと,PRJの役員もこれを把握しないで出資金を募り,配当を交付していたことに照らすと,PRJの違法性の程度は強く,配当金の交付もその出資をさせるための手段として利用されたというべきであるから,これを損益相殺の対象として(損害賠償額から)控除することは相当でない,として,(配当を控除することなく)不法行為に基づく損害賠償請求を全部認容しました。
 

  本件同様のファンドまがい商法をめぐる紛争は近時多発している傾向が強く見られ,業者の主張も本件と同様のものであることが多いところ,簡潔かつ説得的に違法性を指摘して業者の主張を排斥している本判決は,同種事件の解決にあたって参考価値の高いものと思われます。

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