海外先物取引被害事案について,適合性原則違反,説明義務違反の違法を認め,契約を担当したが初回入金の2日後に退社してその後の関与していない被告I,管理部責任者として適合性審査をしたが個別の取引に関与していない被告Aについても,彼らの行為は業者の営業行為として一体として行われたものであるところ,被告Iは説明義務を尽くすことなく適格性を欠く原告を勧誘し,被告Aは適合性審査を担当する管理部の責任者でありながら適格性を欠く原告について取引を開始,継続させているとし,共同不法行為責任を負うとして損害の全部の賠償を命じた事例
一部関与当事者の責任について参考になる。また,先物取引で損失を被った経験があることを過失相殺などのための事情として用いず,「経験というよりは,被害というべきものである」と評価して適合性原則違反を肯定する方向の事情として用いており,この種取引被害及び被害者の有り様の実際を正解するものとして,参考になる。
1.AIゴールド証券・カネツ商事
(東京地方裁判所令和3年6月18日判決) 新規委託者保護義務違反を検討する際の投資可能資金額と確定損失等の関係についての判断を示した裁判例 2.カネツ商事
(東京地方裁判所平成21年10月6日判決,東京高等裁判所平成22年3月17日判決) 先物取引被害について過失相殺を否定して全部賠償を命じた控訴審判決 3.オービット・キャピタル・マネジメント(東京地方裁判所平成17年2月24日判決)訴訟係属中に被害者から訴え取下書を徴求して提出した業者の行為を正義に反するとして訴えの取下の効果を否定したもの
4.オリオン交易・カネツ商事(東京地方裁判所平成19年1月22日判決) 先物取引被害について客観的取引履歴から説得的に違法性を見いだすもの 5.KOYO証券(東京地方裁判所平成28年5月23日判決) 株価指数証拠金取引(くりっく株365)について説明義務違反,過当売買の勧誘等の違法性を認め,過失相殺を否定して損害賠償請求を全部認容した事例 6.KOYO証券(東京地方裁判所令和6年11月13日判決) 株価指数証拠金取引(くりっく株365)について新規委託者保護義務違反、過当取引の違法性を認めた事例 7.サンワード貿易(東京地方裁判所令和4年2月18日、東京高等裁判所令和5年3月16日) 先物取引業者の外務員が作成した日誌の信用性を否定した上で、両建の危険性に着目し、説明義務違反、過当取引ないし指導助言義務違反の違法性を認めた事例 8.第一商品(東京高等裁判所平成26年7月17日判決) 控訴審から委任を受けた事件について控訴審で逆転一部勝訴したもの 9.第一商品(東京高等裁判所平成31年3月28日判決,東京地方裁判所平成30年9月28日判決) 先物取引について指導助言義務違反を認めた事例 10.カネツ商事,カネツFX証券(東京地方裁判所平成25年8月29日判決) 精神疾患を有していた被害者について損害賠償請求を全部認容したもの 11.豊トラスティ証券(旧商号:豊商事)(東京地方裁判所令和3年3月23日判決、東京高等裁判所令和4年9月15日判決) 外国為替証拠金取引(くりっく365)と商品先物取引の双方について説明義務違反の違法性を認めた事例 12.コメックス(東京地方裁判所平成22年5月25日判決) 認知障害により取引状況などを再現できない事案において参考になる 13.豊商事
(東京地方裁判所平成29年8月9日判決) 株価指数証拠金取引(くりっく株365。顧客自身がインターネットで注文する形式)と商品先物取引の両方について説明義務違反,断定的判断の提供の違法性を認めた事例 14.第一商品
(東京地方裁判所平成26年3月24日判決,東京高等裁判所平成26年10月8日判決) 顧客が取引口座申込書に,自己の資産や収入と大きく相違する資産及び収入の金額を自らの一存で記載する理由は考えがたいと判示するもの 15.KOYO証券
(東京地方裁判所平成27年5月28日,東京高等裁判所平成27年10月21日) スマートCX取引を契機とした不招請勧誘により開始された商品先物取引について過失相殺を否定して損害の全部の賠償を命じたもの 16.第一商品
(東京高等裁判所平成25年3月28日判決,東京地方裁判所平成24年11月2日判決) 被害者の病歴を確認するべきであるとする指摘,平行して行わされていたFX取引と合わせて新規委託者保護義務違反を認めているところが有意である 17.第一商品
(東京地方裁判所平成22年10月29日判決,東京高等裁判所平成23年4月27日判決) 金現物取引に端を発する被害。過失相殺を2割にとどめている 18.岡藤商事
(東京地方裁判所平成24年3月1日判決,東京高等裁判所平成24年6月27日判決) 複数の先物取引の経験を有する壮年者について,借入を始めた後の取引について適合性原則違反を認め,取引の全体について客観的履歴から違法性を認めたもの 19.オプションズ(東京地方裁判所平成23年7月15日判決) 海外先物オプション取引被害事案。先物取引の経験を「被害の経験」であると評価して過失相殺に結びつけていない 20.Systematic Trading Solution(Japan)(東京地方裁判所平成20年5月30日判決) 海外先物取引被害事案 21.エー・シー・イー・インターナショナル(東京地方裁判所平成17年10月25日判決) 海外先物オプション取引被害事案。詳細な事実認定を基礎にして業者の体質自体に厳しい非難を向けている 22.小林洋行(東京地方裁判所平成17年12月20日判決) 被害に引き込まれている被害者の状況を正解し,過失相殺を2割にとどめている 23.オリオン交易(東京地方裁判所平成18年3月29日判決) 先物業者の訴訟追行態度に悪質さがにじみ出た事案。過失相殺を否定している 24.C&Pインデックス(東京地方裁判所平成17年3月4日判決) 海外先物オプション取引被害事案。業者の体質に厳しい非難を向けている 25.大起産業
(東京高等裁判所平成18年11月15日判決,東京地方裁判所平成18年6月5日判決) 自己以外の資金を用いて鞘取取引を開始させられた事案 26.バリオン(東京地方裁判所平成23年8月31日判決) 海外先物取引被害事案。管理担当者や初回入金までしか関与していない者に責任を認めている。先物取引の経験を「被害の経験」と位置付けて適合性原則違反を肯定する事情として評価している 27.カネツ商事
(東京地方裁判所平成19年7月23日判決,東京高等裁判所平成20年1月24日判決) 1審は過失相殺を否定したが,控訴審によって過失相殺がされた事例 28.PCSJ(東京地方裁判所平成22年10月26日判決) 海外先物取引被害事案。向かい玉に関する説明義務違反を認めている 29.日本インベストメントプラザ(東京地方裁判所平成21年6月25日判決) 海外先物取引被害事案についてのみ行為の違法性を認めたもの
(東京地方裁判所令和3年6月18日判決) 新規委託者保護義務違反を検討する際の投資可能資金額と確定損失等の関係についての判断を示した裁判例 2.カネツ商事
(東京地方裁判所平成21年10月6日判決,東京高等裁判所平成22年3月17日判決) 先物取引被害について過失相殺を否定して全部賠償を命じた控訴審判決 3.オービット・キャピタル・マネジメント(東京地方裁判所平成17年2月24日判決)訴訟係属中に被害者から訴え取下書を徴求して提出した業者の行為を正義に反するとして訴えの取下の効果を否定したもの
4.オリオン交易・カネツ商事(東京地方裁判所平成19年1月22日判決) 先物取引被害について客観的取引履歴から説得的に違法性を見いだすもの 5.KOYO証券(東京地方裁判所平成28年5月23日判決) 株価指数証拠金取引(くりっく株365)について説明義務違反,過当売買の勧誘等の違法性を認め,過失相殺を否定して損害賠償請求を全部認容した事例 6.KOYO証券(東京地方裁判所令和6年11月13日判決) 株価指数証拠金取引(くりっく株365)について新規委託者保護義務違反、過当取引の違法性を認めた事例 7.サンワード貿易(東京地方裁判所令和4年2月18日、東京高等裁判所令和5年3月16日) 先物取引業者の外務員が作成した日誌の信用性を否定した上で、両建の危険性に着目し、説明義務違反、過当取引ないし指導助言義務違反の違法性を認めた事例 8.第一商品(東京高等裁判所平成26年7月17日判決) 控訴審から委任を受けた事件について控訴審で逆転一部勝訴したもの 9.第一商品(東京高等裁判所平成31年3月28日判決,東京地方裁判所平成30年9月28日判決) 先物取引について指導助言義務違反を認めた事例 10.カネツ商事,カネツFX証券(東京地方裁判所平成25年8月29日判決) 精神疾患を有していた被害者について損害賠償請求を全部認容したもの 11.豊トラスティ証券(旧商号:豊商事)(東京地方裁判所令和3年3月23日判決、東京高等裁判所令和4年9月15日判決) 外国為替証拠金取引(くりっく365)と商品先物取引の双方について説明義務違反の違法性を認めた事例 12.コメックス(東京地方裁判所平成22年5月25日判決) 認知障害により取引状況などを再現できない事案において参考になる 13.豊商事
(東京地方裁判所平成29年8月9日判決) 株価指数証拠金取引(くりっく株365。顧客自身がインターネットで注文する形式)と商品先物取引の両方について説明義務違反,断定的判断の提供の違法性を認めた事例 14.第一商品
(東京地方裁判所平成26年3月24日判決,東京高等裁判所平成26年10月8日判決) 顧客が取引口座申込書に,自己の資産や収入と大きく相違する資産及び収入の金額を自らの一存で記載する理由は考えがたいと判示するもの 15.KOYO証券
(東京地方裁判所平成27年5月28日,東京高等裁判所平成27年10月21日) スマートCX取引を契機とした不招請勧誘により開始された商品先物取引について過失相殺を否定して損害の全部の賠償を命じたもの 16.第一商品
(東京高等裁判所平成25年3月28日判決,東京地方裁判所平成24年11月2日判決) 被害者の病歴を確認するべきであるとする指摘,平行して行わされていたFX取引と合わせて新規委託者保護義務違反を認めているところが有意である 17.第一商品
(東京地方裁判所平成22年10月29日判決,東京高等裁判所平成23年4月27日判決) 金現物取引に端を発する被害。過失相殺を2割にとどめている 18.岡藤商事
(東京地方裁判所平成24年3月1日判決,東京高等裁判所平成24年6月27日判決) 複数の先物取引の経験を有する壮年者について,借入を始めた後の取引について適合性原則違反を認め,取引の全体について客観的履歴から違法性を認めたもの 19.オプションズ(東京地方裁判所平成23年7月15日判決) 海外先物オプション取引被害事案。先物取引の経験を「被害の経験」であると評価して過失相殺に結びつけていない 20.Systematic Trading Solution(Japan)(東京地方裁判所平成20年5月30日判決) 海外先物取引被害事案 21.エー・シー・イー・インターナショナル(東京地方裁判所平成17年10月25日判決) 海外先物オプション取引被害事案。詳細な事実認定を基礎にして業者の体質自体に厳しい非難を向けている 22.小林洋行(東京地方裁判所平成17年12月20日判決) 被害に引き込まれている被害者の状況を正解し,過失相殺を2割にとどめている 23.オリオン交易(東京地方裁判所平成18年3月29日判決) 先物業者の訴訟追行態度に悪質さがにじみ出た事案。過失相殺を否定している 24.C&Pインデックス(東京地方裁判所平成17年3月4日判決) 海外先物オプション取引被害事案。業者の体質に厳しい非難を向けている 25.大起産業
(東京高等裁判所平成18年11月15日判決,東京地方裁判所平成18年6月5日判決) 自己以外の資金を用いて鞘取取引を開始させられた事案 26.バリオン(東京地方裁判所平成23年8月31日判決) 海外先物取引被害事案。管理担当者や初回入金までしか関与していない者に責任を認めている。先物取引の経験を「被害の経験」と位置付けて適合性原則違反を肯定する事情として評価している 27.カネツ商事
(東京地方裁判所平成19年7月23日判決,東京高等裁判所平成20年1月24日判決) 1審は過失相殺を否定したが,控訴審によって過失相殺がされた事例 28.PCSJ(東京地方裁判所平成22年10月26日判決) 海外先物取引被害事案。向かい玉に関する説明義務違反を認めている 29.日本インベストメントプラザ(東京地方裁判所平成21年6月25日判決) 海外先物取引被害事案についてのみ行為の違法性を認めたもの