一昨日(11月8日),全国証券問題研究会の呼びかけにより,全国で共通の110番電話番号を開設してする全国一斉デリバティブ取引・仕組債110番が行われました。為替デリバティブや仕組債などの金融商品取引被害が増えていることを受けて,企画・実施されたものです。
東京では東京先物・証券被害研究会が受け皿となり,相談担当弁護士を20名配置し,うちの事務所の会議室に午前10時から午後8時まで特設電話を設置して行いました。当事務所の弁護士も何人か相談担当として参加していました(すみません,私は実は忙しいので今回は勘弁してもらいました…)。
やはり通貨オプションの相談,ノックイン型投資信託の相談が多く,それに仕組預金や日経平均リンク債の相談が続くという状況でした。
相談の内容を聞くと,金融機関というものは,リスクを売るという業務の性質上,やはり誠実とはいえない営業行為も相当に多いのだと改めて思います。金融機関に対する我が国の信頼は,(それがあるとすれば)別に金融機関の法令遵守姿勢が健全であったことによるのではなく,日本経済が発展期にあったころの投資・貯蓄に対する印象のゆえのものでしょう。
東京先物・証券被害研究会の弁護士の多くはまだまだ勉強途中という感じですが,110番を契機としてより深く勉強がなされ,この種の被害が,広く,適切に解決されるようになればと思います。