Juristという実用法律雑誌があり(法律雑誌としてはかなりメジャーな雑誌です),その12月15日号(1435号)に私が担当した東京地判平成20年7月16日が,商事判例研究として,「外国為替証拠金取引業者の強制ロスカットに係る責任」と題して,神作裕之東京大学教授により検討の題材とされていました。この裁判例は,興味深いもので,現在でもその存在価値を衰えさせていない意味を有しています。判例研究は極めて(私にとって)好意的なものであり,また,ロスカットに関して現在私たちが頭を悩ませている問題(ロスカット狩りであるとか,誤レートによるロスカットの発動であるとか)についても,有意な示唆を与えてくれているように思え,さらに読み込まねばならないと思っているところです。
Juristには,今年の7月1日号(1425号)にも私たちが担当した東京高判平成22年12月8日が会社法判例速報として弥永真生筑波大学教授によって解説されていました。
自分たちが担当した事件の裁判例(こちらにとっては言い渡されてから既に相当期間が経過している)も,研究者によって適切な解説が加えられ,さらなる課題が示されるなどすると,また新たなものが見えてきて,新鮮な思いです。