80歳を超えた独居高齢者が7000万円の巨額の未公開株詐欺商法被害に遭った事件で,今般,7000万円全額の回収を見た。弁護士費用相当損害金及び遅延損害金についてはまだ強制執行手続が進行中である。また,この被害者は他の未公開株詐欺事件の被害にも遭っており,こちらについては来年1月に証拠調べ期日(被告らの尋問期日)を控えている。
さて,未公開株商法被害事件で7000万円もの巨額の被害が全部回復できたというのは,そうそうないことである。警察との連携,かたくなであった金融機関の協力の取り付け,何らかの情報を得た時に間髪を置かずにした何回もの,対象を変えた仮差押手続,迅速かつ関係者を広く相手方とする訴訟の提起,その主張立証の内容とスピード,そこにおける無意味に頑固な業者側代理人への幾度もの働きかけ,関連事件係属裁判所に対する意見の具申,また別の関連事件への補助参加人としての参加,そこでの従前主張とは全く観点の違う主張の提出による係属裁判所の審理の迅速化。そうした上で試みた相手方(黒幕)代理人とのぎりぎりの折衝。
凄惨な事件であり,着手金の支払いを全く受けることなく上記手続群を追行していったのだが,こうして被害回復が実現されると,当たり前であるが,やはり,うれしい。色々な手続を間断なく追行していった甲斐があったというものだ。ある場面では運も良かった。
こういう解決があると,なぜだか,他の事件にも良い風が吹いてくる気がする。相手方の財産が探知されるなど,現実的な被害回復の端緒がいくつかの事件で立て続けに生じた。すでに強制執行手続等を申立済みである。もう発令されているころだろう。
悪者たち,観念なさい。
平成25年2月18日追記:弁護士費用相当損害金700万円についてもそのほとんどを回収できた。