本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 年が明けてからあっという間に2週間が経過してしまいました。弊所でも,裁判期日や打合せなども何件も入り,先ほどは新年1回目の消費者委員会にも出席し,もうすっかり通常モードです。

 昨年末には主任を担当していた割合に重たい事案の弁論が終結し,ようやく一息ついたところですが,年末にかけて商品先物被害事案,投資用マンション被害などの相談が多くあり,現在これらについての起案をしているところです。

 ところで,最近,テレビで,漫画家が原稿を書いているのを固定カメラで撮影し,それの映像を見ながら本人を含む漫画家の方が話をするという番組があり,時々見ることがあるのですが,クリエイティビティの内容やレベルに違いこそあれ,漫画家の方の試行錯誤の過程が弁護士の行う起案ととてもよく似ており,大変興味深く感じました。

 まったくのゼロから作り出すことの多い漫画とは異なって,弁護士が文書を起案する際には,過去の事実があり,それを法的観点から分析して文章にする,という過程になるのですが,でもやっぱり読み手がいるわけなので,どこにフォーカスし,どういう順番で,どの事実を取り上げて書いていくのか,法的な評価についても,どうあてはめていくのか,また,自分が一番納得でき,良いと思える流れで書いていけるかどうか,というところで試行錯誤するので,まさに漫画の作り手と同じなのだな,と(ちなみに個人的には,荒木飛呂彦先生と松本大洋先生の仕事の様子が見たいです。高齢なのでいまはもう描かれていないだろうけれどつげ義春先生も見てみたい)。

 大御所の漫画家や,自分が実際に作品を読みファンでもある漫画家の方が試行錯誤し,迷ったり,何度も書き直したり,時間をかけたりしながら作品を作っている様子を見ると,何故か,自分も救われたような気がして元気が出てくるものですね。

 守秘義務があるのでまあ無理でしょうけれど,他の弁護士の起案の仕方も固定カメラで特集してくれないかな。。案外,試行錯誤の過程はなかなか見られないので,一度,見てみたいものです。