【今月の1枚】
根室本線(花咲)線:キハ54 厚岸-糸魚沢
1 レセプト債
医療機関の診療報酬債権の買い取りによる運用を行うとするレセプト債の関連会社が破綻し,多額の償還不能が生じ大きな問題となっています。
これは極めて重要な事象で,報道等でも繰り返し伝えられ,弊所に多くの相談が寄せられています。
詳しくは,平成27年12月3日のブログを参照下さい。
2 今月の1枚
今月の1枚は,以前このブログで紹介したBS朝日の「鉄道・絶景の旅」という番組の写真コンテストでグランプリを取ってしまった作品にしてみました。
中井精也氏のコメント,本当に嬉しかったです。
作品のタイトルは,「真冬の湿原でキハVSシカ」
花咲線(根室本線),厚岸と糸魚沢の間に広がる別寒辺牛湿原の真冬の風景です。
別寒辺牛は、「べかんべうし」と読みます。
そして,「多くの人からどうやってあんな場所見つけたの?」と聞かれます。
写真を撮ったのはもう随分前の話ですが,そのあたりのことを今回は書いてみたいと思います。
まずは花咲線の説明から始めます(面倒くさがらずに聞いて下さい(笑))。
花咲線とは,釧路から日本の東端,根室に向かう最果ての路線。
道中には,駅周辺以外は,人家もなく,荒涼とした大地が続きます。
その景色から,僕は花咲線を人に説明する時に,「まるでシベリア鉄道のような場所です」と言って説明しています。
(あっ,でも,シベリア鉄道はよく知りません(笑)。イメージで!)
そして、花咲線の道中、厚岸と糸魚沢の間には、広大な別寒辺牛湿原が広がります。
どこまで行っても大湿原。
線路もずーとストレート!
そこが日本であることを忘れてしまいそうです。
そんな,夏は広大な湿原のこの地域も冬は雪原と化します。
水面は凍り、その上に雪が積もり白と水色に,水草は枯れ趣のある肌色に。
この絶景を高いところから俯瞰したらどんな光景だろうか,それが今回の作品の出発点でした。
妄想が始まると止まらない私,まずは,糸魚沢?厚岸間の地図を確認。
すると,周囲に人家などの人工物がなく,東西に走る線路が西南西方向にクッと曲がる場所があり,その背後に等高線が込み入った地点があるではないですか。
「よし,ここは丘(崖!?)だ!,ここに登れば,広大な雪原を俯瞰できるはず。」
しかも,列車の正面とサイドに日が当たる時間を考えると,冬の午後3時以降がベストと判断。
あとは机の前でごちゃごちゃ考えていても仕方がないので,現地に行って探索あるのみ!
そして,寒さに耐え,重い機材をしょって,実在した雪原を見渡せる丘をよじ登り,夕暮れ迫る広大な雪原を撮った渾身の1枚。
伸びる気動車の影が、暮れゆく短い冬の一日の終わりを告げています。
列車が線路を刻む音しか聞こえません…。
シャッターを押そうとした瞬間、気動車(キハ=JRの気動車の表示)は突然の急停車。
よくよく見ると、野生のエゾシカが線路を横切って行くではないですか!
奇跡のシャッターチャンスが?!!!
そして,今回の作品が生まれました(エゾシカ様々ですね!)。
しかし,この後にも現地ではちょっとしたドラマが…。
おや,一匹のエゾシカが群れから取り残されてしまっているではないですか。
「ピィィィー!ピィィィー!」
キハは汽笛を鳴らしますが、エゾシカはどきません。
大湿原(雪原)のど真ん中で,
キハVSシカ
しばらく,にらめっこ。
また,いつか,冬の夕暮れ時に,気動車にコトコト揺られてみたいですね?。
3 日本の冬
同じ日本の冬の風景を見比べるこのシリーズ,今回は房総の冬をご覧下さい。
いすみ鉄道 新田野-上総東
ここは房総半島のど真ん中,いすみ鉄道の真冬の風景,今月の1枚と同じ季節の写真です。
ミカンの木を抜けて国鉄時代を体現するようなレトロな列車が走り抜けます。
ちょっと紀州路を思わせるような南国風の風情にやはり日本の広さを感じますね。