第1 日々の業務で感じたこと
ここのところのブログでは,判決の報告やメディアでのコメントの報告等が続いたので,今回は日々の業務で感じたことについてはお話ししたいと思います。
多くの裁判に携わっていると,思い通りにいくこともあれば,時として,厳しい局面をむかえることもあります。ここでは少し後者の例についてお話をしたいと思います。
最近,数年に渡る訴訟の末,裁判の最終盤で,裁判所から原告の請求については厳しいと考えているという見通しを伝えられた事件がありました。
この裁判は,原審段階だけで十数通の準備書面を提出し,最終準備書面の後にも,指導助言義務をめぐってさらに4通の準備書面を提出するという,まさに総力をあげて向き合ってきた裁判でした。
確かに,この事件は原告の属性の関係で厳しい面が多くある事件でしたので,相応の想定はしていましたが,それでも裁判所から伝えられた見通しには本当にショックを受けました。
あまりの悔しさで,2日間眠れなかったですよ,本当に。
そんな時,あるアーティストの曲を偶然聞く機会があって,その中に,こんな歌詞がありました。
「人生って 何とも無理な場面から 何とかするから何とかなる 諦めたらただの人」
「人生って ここぞという日があるんだね 前もって分かってりゃいいけれど 後になればあの時と 気がつくもんだよね」
確かに,そうだ,そうだよね,諦めたらそれまでだ。
ここからでもできることはあるかもしれないし,こういう場合にこそ己の真価が問われる。
裁判は,判決期日も指定され,請求は厳しいということを伝えられた最終盤,まさに絶体絶命の場面でしたが,ここからさらに裁判所を説得できることはないかと,踏ん張って説得を行いました。
本件で行われていた取引の不合理性,危険性を今一度詳細に指摘し,また,相手方が違法性を認識していたことにつながる様々な資料も,方々から探し出してきました。
最後には,法的な主張ではありませんが,依頼者の思いを改めてよく聞いて,そのことを手紙のように丁寧に書きました。
(そして,こういった土壇場からの作業は事務員の皆さんの大きな協力が不可欠です,いつも本当にありがとうございます。)
ただ,人間,やれば報われると信じられるから頑張れるというところはあると思います。
今回のように,既に厳しいという見通しを伝えられ,いくら頑張っても報われないかもしれないという中での戦いは,なかなか強い精神力が求められました。
そして,その結果,裁判の流れは変わり,最高の結果とはいえないかもしれませんが,依頼者も納得できる解決に至ることができました。
最終的に,どの主張や立証が裁判所や相手方に通じ,厳しかった局面を挽回できたかは分かりません。
ただし,今回のことで,どんなに厳しい場面に直面しても,それで心が折れそうになっても,裁判が終わるその瞬間まで絶対に諦めずにやる,そういった執着心の大切さを改めて学びました。
ともあれ,本当に,大変な大変な事件でした(心臓には悪かったです,はい)。
第2 今月の1枚
只見線:会津西方-会津桧原 キハ40最後の冬
これぞ,究極の1枚,渾身の1枚。
木々に雪が降り積もり,雲一つなく晴れ渡った冬の日の朝。
真っ青な川面が水鏡となって絵画のような世界が広がりました。
ずっと,ずっと,夢見ていた世界に,本当に心が震えました。
(なお,下山の途中で転んで尾骨を負傷したのは,所内でもトップシークレットです!)
万里の長城(北京市北東部慕田峪長城)
話は変わりますが,今,中国が大変な状況になっています。
以前,中国に旅行に行ったとき,西安の大雁塔というお寺で,とても大切な仲間(ぬいぐるみ)とはぐれてしまうということがありました。
そんな時,中国の皆さんは一緒になって探してくれて,奇跡的に見つけることができました。
そんな心優しい中国の方々には,今でも心から感謝しています。
早く新型コロナウイルスが終息することを心から願っています。
现在中国正可能不得了。
在以前去中国旅行了的时候,在西安的大雁塔这个寺庙,同很重要的朋友(布制玩偶)走散过。
就在那时,中国的各位变得一起,找,奇迹般地能找到了。
现在还从心里感谢那样的心客气的中国的各位。
早早从心里希望新型冠状病毒结束。