マンション投資被害事件の事件解決までの流れとして,他の投資詐欺商法被害の場合とは異なり,まずは交渉から開始することがほとんどだということが挙げられます。交渉対象としては,不動産販売業者(その他に仲介業者がいる場合には当該仲介業者も含まれます),デート商法の場合には当該相手方,事例によっては融資先の銀行などが考えられます。事案により異なりますが,まずは不動産の売買に際して直接窓口となった販売業者又は仲介業者との間で交渉を開始することが適切と思われることが通常です。
デート商法の場合,被害に遭ったことを認識した時点では既に勧誘した相手方と連絡が取れなくなっているなど,勧誘した相手方と販売業者らとの間の意思疎通を裏付ける証拠に乏しい場合も少なくありませんが,未公開株商法の勧誘業者・販売業者の関係と同種の関連性が指摘できる場合や,少なくとも不動産販売業者の過失を指摘できるケースも多くあるように感じられます。
被害者は毎月一定以上の金額のローン負担を強いられているため,係争の長期化は可能な限り避けたいという要請もあるでしょう。また,業者側も,時間の経過によってマンションの価格が下落すればするほど賠償額も大きくなっていきますから(係争金額,損害額は,(ローンを考慮した)購入させられた金額と実際のマンションの価格の差です。),早期に解決したいという姿勢を見せる業者が多いというのが現状です。銀行との関係を悪化させたくないという要請も働いているものと見受けられます。ですので,交渉により事件が解決する(買い戻しをさせる)例がほとんどですが,業者がこれに応じない場合など,対応によっては,被害の拡大を避けるためにも,訴訟提起による被害回復を検討しなければなりません。
一応マンションを購入しており所有権も登記されており,毎月のローンさえ支払っていれば被害が現実化しないような錯覚にとらわれがちである被害類型ですが,早期に適切な法律相談を受け,速やかに被害回復手続に着手することが大切だと感じられます。