1 判決報告:東京高判平成26年7月11日
先日,東京高裁で,ファンド商法に関して,ちょっと変わった判決が出ましたので,ご報告です。
【事案の概要】
業者は,FXの自動売買運用ソフトを利用して,FX取引を行うことにより,「毎月数%の高い利益を恒常的に出し続けられる」と喧伝してファンドへの出資を募ったが,ある時点で取引が破綻したことが告げられ,出資金が返金されないという事案。
また,本件は,代理店と称される勧誘者が幾重にも連なり,その代理店群が預かり金から数%という形で金銭を得ていく(抜いていく)といったよくある詐欺的商法です。
本判決で問題となったのは,末端の代理店(原告の直接の勧誘者)Yで,Yの主張は,「自分たちも本件ファンドを真っ当なファンドと信用した,自分も本件ファンドに出資をし損害を出しており被害者である」というもので,この種事案の典型的な主張でした。
【判決の内容】
①本件商品は,FXの自動売買運用ソフトを利用するというもので,一般になじみがなく得体の知れないものであり,運用益が月3%ないし5%になるということ自体経済合理性に反するもので大きな危険を伴うことを示す徴表であり,疑念を抱いて然るべきものである。
そして,そのような商品への出資を勧誘し,出資契約締結に向けて媒介行為を行って第三者を危険のある本件FX取引へ巻き込もうとする場合,勧誘者は,第三者保護のために必要な調査を行い,安全を確認すべき注意義務を負う。
②また,Yが,自身を勧誘した者に損害賠償請求をする場面を想定すると,勧誘者の安全性に関する説明を信じたということは(Yの言い分),過失相殺をする根拠となる過失になることは疑いない。
それなのに,第三者を危険のある本件FX取引へ巻き込もうとするにあたって安全を確認すべき注意義務を果たしたかを検討する場面では,上記事情を過失を否定する根拠として是認することは,過失相殺の場面と比較して,第三者を危険のある本件FX取引へ巻き込もうとする積極的な行為を行うという要素が加わりながら,なぜそのようにいえるのか,両場面を整合的に説明することができず,両場面の均衡を失し,相当ではない。
③具体的な注意義務の内容については,信義則上,本件FX取引の安全性や出資する資金保全の確実性に関する裏付けとなる合理的根拠を調査する注意義務があるし,Yには当該義務の懈怠があるとしました。
【評価】
①は,「自身は単なる紹介者にすぎない」,「自分も信じた,自分も被害者」と言い訳をする者にも,第三者を危険のある取引へ巻き込もうとする場合,第三者保護のために必要な調査を行い,安全を確認すべき注意義務を負うということであり,非常によい判断であったと思います。
②がちょっと変わった判断で,「自分も信じた,自分も被害者」という言い分は自分が勧誘者に請求をする場面では,過失相殺の過失になるのは疑いないのだから(ここは本当かと思います…),そのような言い分をするのならば,請求を受ける場面では過失ありだ,という論法です。
このような論法なら,必ず被告の過失が認められ,被告の責任は必ず認められますが,一方で,おそらく原告も同様の事情ですから必ず過失相殺されます。必ず認容されるが,反面必ず一部棄却されるといった感じです。
③については,前提部分に疑問もある反面,前提部分が仮に正しいとすると,おもしろい発想だとも思えます。
本判決は,?のような発想に立つ以上,原告について一定の過失相殺がされてしまい,この種事案で過失相殺を許してしまい非常に残念な面もあるのですが,ちょっとおもしろい面もある判決だったので報告をしてみました。
2 2014夏・写真集(の一部)
先日,台風一過,晴れそうだったので,これはチャンスと思い千葉のローカル線,「いすみ鉄道」に写真を撮りに出かけました。
いすみ鉄道は,外房線の大原と内陸にある上総中野をつなぐ私鉄です。
週末になると国鉄時代の気動車がのどかな風景の中をのんびり走る昭和テイストな路線で,鉄道ファンにとっては,関東で有数の「萌え」路線です。
そんな萌え萌え路線の中で,前から撮ってみたいなと思っていた場所がありました。
それは,いすみ鉄道には,遮断機のない踏切があるのです(意味分かりますか?(笑))。
そんなもはや天然記念物ものの踏切を,夏ののどかな風景の中で撮ってみようと,構想を温めていたのでしたが,いよいよその時がやってきました。
この日は朝から快晴,地平の向こうから,ゆっくり2両の列車がやってきました。
♪? 誰の憧れに さまよう
♪? 青空に 残された
♪? 私の心は 夏模様
そんな井上陽水の「少年時代」が流れきそうな風景でした…。
まだ,夏も来ていないんですけどね(笑)。
ここで長いこと待っていると色んな人が踏み切りを渡っていきます。
踏切には,遮断機がない代わりに,「とまれみよ」という看板が立っていたりします。
横切る人は皆,止まって,踏切をじぃーと見ていました。
止まって見なければいけないのは,列車ですよ?!(笑)
沿線を巡っていると,広大な田園風景に出会いました。
むむむ,しかもこの田園の向こうは海だったはず…。
俯瞰できる場所はないか…,(周囲を見回す,)あった?!
あの山の上に登れば,どこまでも見渡せるはず…,よし登るぞー!。
もう高い所を見ると,登らずにはいられなくなる性格になってしまいました(笑)。
なかなか雄大な眺めですね。
そういえば稲には花が咲いていました。今年は豊作ですかね?。
最後に,夏燃ゆる日比谷公園,そんな一コマを撮ってみました。
当事務所が入っている日比谷公会堂(市政会館)も右側に見えます。
それにしても日比谷公園は都会のビルの真ん中にあるということをあらためて感じますね。
緑の絨毯が実に美しいです。
今は新緑がまぶしい季節。
思いっきり広角で撮ってみました。
最後に日比谷公園を訪れる人ならみんな立ち寄る有名な大きな木です。
こちらも広角レンズを使って下からあおって撮ってみました?。
以上,2014初夏の写真集でした。
3 最後に
見次先生のブログおもしろいね?。
因みにあのナン,僕のですよ。
あの後,レンジでチンして食べたら,ナンはかちっかち,フランスパン食べてるみいたに引きちぎって食べましたよ。
僕も今後は焼きたて派に転向です,ナンは柔らかいに限ります…。
なんや。