1 成年後見制度
総務省が発表した平成25年時点の推計人口によると,65歳以上の人口は3186万人となり,総 人口に占める割合は25.0%と過去最高を更新,人口の約4人に1人が高齢者となっています。また核家族化などにより,高齢者のみの世帯が激増しており,平成22年の時点においてすでに450万人以上の高齢者が一人暮らしです。
このような状況のなか,認知症,知的障害,精神障害などによって判断能力が低下した高齢者をターゲットにした悪質な詐欺的商法が激増しています。高齢者に関する事件を取り扱っている弊所では,成年後見制度を上手に利用していれば,これらの被害を予防することができた事案にも数多く接しています。
成年後見制度とは,本人の権利を守る援助者(「成年後見人」等)を選ぶことで,上記のような判断能力が不十分な方を法律的に支援する制度です。成年後見制度は,大きく分けると,法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。
法定後見制度は,「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれており,判断能力の程度など本人の事情に応じて制度が適用されるようになっています。
法定後見制度においては,家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が,本人の利益を考えながら,本人を代理して契約などの法律行為をしたり,本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり,本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって,本人を保護・支援します。
任意後見制度は,本人に判断能力があるうちに,将来,判断能力が不十分な状態になった場合に備えて,あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に,自分の生活,療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約を公証人の作成する公正証書で結んでおくものです。そうすることで,任意後見人が,任意後見契約で決めた事務について,家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと本人を代理して契約などをすることによって,本人の意思に従った適切な保護・支援をすることができます。
弊所でも同制度に関する業務を取り扱っています。
詳しくは弊所HPをご覧になってください。
2 今月の表紙
今後,「今月の表紙」と題して,季節に相応しい写真を何枚かずつ掲載していこうと思います。
選考は独断ですので,あしからず。
一つ目は,水の入った水田の脇を駆け抜けていく訓練列車。
木々や列車が水鏡となって,いかにも5月らしいですね。
この列車,新人の運転の訓練を行っている列車ということであり,現在その姿がどんどん失われているブルートレインが使用されています。新人の運転手さん,頑張って!
同じ場所で貨物列車をミニチュア風に仕上げてみました。
端っこにいるのは,お仕事しているトラクター,なんかいいですね。
次は,岩手県と秋田県を結ぶ北上線,その道中にある錦秋湖にかかる橋を渡る列車です。
日も暮れて,残照が真っ赤な橋を浮かび上がらせ,何とも雰囲気がありませんか。
最寄りのほっとゆだ駅には,足湯などではなく本物の温泉が併設されています!
それだけでもびっくりなのに,その温泉にはなんと列車の到着を知らせる信号があり(線路にある信号と同じもの),列車の到着が近づくと温泉内の信号が青になり知らせてくれる仕組み。
一見の価値ありの,珍百景です(笑)。