第1 テレビ東京:「日経プラス10サタデー」に出演
7月20日,テレビ東京の「日経プラス10サタデー」に出演させていただきました。
特集は,「かんぽ生命保険の不正問題」と「高齢者の金融商品取引被害」でした。
スタジオ生放送で,1時間!
なかなか緊張感のある放送となりましたが,スタッフや出演者の皆様から丁寧に接して頂き,無事終えることができました。
また,金融商品取引被害の問題に携わる弁護士としては,このような特集をして頂いたことは大変ありがたく思いました。
1 特集「かんぽ生命保険の不正問題」について
「かんぽ生命保険の不正問題」については,テレビや新聞でも既に報道されていたことから,初めて聞いた時の感想は,やはりそうであったのかというもでした。
今回の「かんぽ生命保険の不正問題」で問題となったのは,主に「乗換契約」です。
日本郵便株式会社(以下「日本郵便」)は,かんぽ生命株式会社(以下,「かんぽ生命」)から委託を受けて「かんぽ生命保険」の販売を行っていました。
日本郵便の内部規定では,販売員の営業実績は,乗換契約の場合,新規契約の1/2となっていました。
そこで,販売員は新規契約により満額の実績を得るために,以下の二つの行為を行っていたことが,今回明らかとなりました。
【乗り換え①】
まず,日本郵便の内部規定では,新規契約から6か月以内に旧保険を解約した場合は,乗換契約にあたるとされていました。
そこで行われていたのが,新規契約から7か月以上旧保険を解約しないという手法でした。
これにより,顧客は7か月以上保険料を二重払いをすることになりますが,そのような契約は顧客には何のメリットもありませんから,販売員が満額の実績(報酬)を得るため,旧保険の解約時期を意図的に遅らせたとしか考えられません。
【乗り換え②】
また,旧保険の解約から3カ月以内に新規契約を結んだ場合も,乗換契約とされていました。
そこで行われていたのが,新規契約の4カ月以上前に旧保険を解約させるという手法でした。
これにより,顧客には4か月の無保険状態にさらされ大変危険であり,これも局員が満額の実績(報酬)を得るため,旧保険の解約時期を意図的に遅らせたと考えられます。
また,そもそも高齢者になってから新規契約を締結する場合,再契約時に保険料が上昇するのが通常であり,顧客には不利益な契約となる可能性が高いといえます。
さらに,保険業法300条1項4号は,不利益となるべき事実を告げずに乗換契約を行うことを明示的に禁止していますが,日本郵便では上記のような契約が乗り換えではないと考えていた場合,同法の規律が及ばないと考えて,十分な説明を行わずに勧誘を行っていたとも考えられます。
先日の記者会見で,かんぽ生命と日本郵便は,第三者委員会等の外部機関を設置しての社内調査を行い,販売員に法令違反があれば厳正な処分を行い,評価体制の見直しを行うと発表しました。
しかし,本件は,「かんぽ生命保険」の販売という場面だけに収斂される問題ではないと考えられます。
昨今の他の不祥事事件もそうであったように,本件もノルマ管理などの企業体質に由来する問題である可能性も十分あり,それが今回は「かんぽ生命保険」の販売という場面に出たに過ぎない可能性もあります。
日本郵便,かんぽ生命には,再発防止に向けた十分な対応が求められるはずです。
2 高齢者の金融商品取引被害について
他にも番組では高齢者の金融商品取引被害についても特集をしました。
番組でも紹介された<トラブル回避のための5ヶ条>,皆さんも実践して見て下さい。
①詐欺?と思う商品には近づかない
②頻繁に売買を促す会社には要注意
③家族・知人に相談
④電話に防犯対策システムをつける
⑤安心確実に高収益が望める商品はない
もうすぐお盆の時期です。
実家に帰った時,お父さんやお母さんが,何かの被害に遭っていないかを確認してみるのも良いことだと思います。
第2 ずっと前の1枚
ここ数か月天気が悪いことと業務多忙により,最近は鉄道写真の世界から離れてしまっています。
ですので,紹介する写真が梅雨も明けようとしているのに,今も水田の水鏡や萌える新緑の世界です。
磐越西線:野沢-上野尻 キハ40(通称:タラコ列車)
水も,空気も,風も,全てが静寂に包まれ,空は雲一つない青空,背景の飯豊連峰には残雪が…
チャンスは数年に1回,令和元年の4月,究極の舞台が整いました。
そこにやって来た通称タラコ列車,「もうこれで鉄道写真やめてもいい!!」と思う1枚になりました。
只見線:只見-大白川 只見新緑号
と思ったけど,やっぱり行ってしまったず5月,新緑の只見線。
美しい日本の原風景,「もうこれで鉄道写真やめてもいい!!」と思ったような気もします。