自由と正義に論稿掲載,と,「Q&A 投資取引被害救済の実務」の発行

 「自由と正義」は各界からの執筆者により法律実務,日弁連・弁護士会の当面する諸問題などについて特集を組む形で構成されて,学術的にも高度の水準をもっている日本弁護士連合会の機関雑誌です(日弁連HPより)。今号(2012年11月号)の特集の一環として,「投資詐欺被害等の被害の現状と対策について」と題する記事を書きましたところ,多くの弁護士の目に触れる(というより,弁護士は自由と正義を結構愛読しています)ものですから,早速,いくつかの問合せが来ています。先生方のお役に立てるとうれしいです。

 私が編著者となり,うちの事務所の弁護士が共同執筆した「Q&A 投資取引被害救済の実務 仕組債/投資信託/為替デリバティブ/未公開株・社債等劇場型商法/日経225オプション/FX/ファンド商法/国内・海外先物/ロコ・ロンドン貴金属/CO2排出権証拠金」が,11月20日に発行され,今日,日本加除出版の担当の編集者さんが納品されたばかりの新刊を持ってきて下さいました。新刊本の香しさ。サイン付きで事務職員に献本すると,これでは(古本屋さんに)売れない,と言ったとか言わないとか。
 目次は,以下のとおりです。どうです,お買い求めになりたくなってきませんか。え?あ,そうですか,とにかくよろしくお願いいたします。安いですし。

金融商品取引被害に関連する法律及び紛争解決の方法
 ・各法律の適用関係
 ・金融商品取引法
 ・商品先物取引法
 ・金融商品販売法
 ・消費者契約法
 ・特定商取引に関する法律
 ・紛争解決の方法
近時の金融商品取引被害の動向
●金融商品取引分野における被害の動向
 ・仕組債/仕組投資信託の被害
 ・為替デリバティブ被害
 ・日経225オプション取引
 ・外国為替証拠金取引(FX取引)
 ・有価証券虚偽記載事案の増加と深刻化
●先物取引分野における被害の動向
 ・先物取引被害の激減
 ・商品先物取引関連商法に対する横断的規制
 ・隙間商法の萌芽の兆しと先物被害の再発の懸念
近時の投資まがい取引被害の実態
 ・勧誘方法の多様化
 ・悪質業者の細分化
 ・組織の巧妙化と手口の大胆化
 ・劇場型被害の急増
 ・被害回復仮装型被害の増加
 ・収奪財産の拡大
被害相談が寄せられる取引類型の概要
●証券取引等
 ・仕組債
 ・仕組投資信託
 ・為替デリバティブ
 ・株式取引
 ・投資信託
 ・外国為替証拠金取引(FX取引)
 ・投資顧問業
●先物取引等
 ・国内先物取引
 ・海外先物取引/海外先物オプション取引
 ・ニッパチ商法
 ・ロコ・ロンドン貴金属取引(商品CFD取引)
 ・CO2排出権証拠金取引
●ファンド関連商法
 ・集団的投資スキーム
 ・不動産関連ファンド
 ・FX関連ファンド
 ・未公開株関連ファンド
 ・海外事業関連ファンド
●未公開株商法等
 ・未公開株商法
 ・社債/その他「類似詐欺」商法
訴訟等における主張立証と課題
●一体的不法行為
 ・不法行為構成/債務不履行構成
 ・適合性原則違反
 ・断定的判断の提供
 ・説明義務違反
 ・信認関係と助言指導義務
 ・新規委託者保護義務違反
 ・過当取引(チャーニング)
 ・特定売買等
 ・一任売買
 ・無断売買
 ・仕切拒否/回避
 ・向かい玉
 ・のみ行為
 ・取引の仕組み自体の違法性
●損害の考え方
●損害賠償金・和解金に対する課税
●消滅時効
●過失相殺
訟手続に関する諸問題─現行法の有効な利用と新たな試み
●当事者の探知
●当事者の特定
●送達手続
●証拠収集等手続
 ・裁判外の手続(弁護士会照会/刑事記録の取得)
 ・裁判上の手続(証拠保全/文書送付嘱託/調査嘱託/文書提出命令)
現実の被害回復に向けて
●強制執行手続
 ・執行対象として検討するべき財産
 ・最後の住所
 ・債権執行の現状と課題
 ・仮差押えの効果と限界
 ・債権者による破産手続開始の申立て
●犯罪利用口座の凍結
 ・申請における注意点
 ・現状における効果と課題
●被害救済に向けて