タマネギ列車を撮る〈第3回〉

新年明けまして、おめでとうございます。
今年も1年、どうぞよろしくお願いします。

新年早々、1発目のブログの話題が「タマネギ列車」というのも何ですが、久しぶりに連載の第3回目を書かせていただこうと思います。

(11月22日からの続き)

常紋峠へ向かう道中、暮れゆく空を背景に石狩川にかかる鉄橋を通過する普通列車を撮りました。

なんとなく幻想的な写真になりました。

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石狩川にかかる鉄橋を通過する普通列車

道中幽霊がいそうな駅に立ち寄りながら、常紋峠の麓、生田原入り。

前日は,生田原唯一の宿泊施設,「ノースキング」に宿泊しました。
色々調べているうちに知ったのですが,ここは常紋峠の写真を撮る人達ご用達の宿らしいです。

宿の食堂では、「スペシャルランチ」という名のお子様ランチ大人版みたいなものを頼みました(えびフライにハンバーグにザンギと、何でもプレートの上にのっていましたから。)。
ちなみにえびフライ定食を頼んだ隣の席の人のもとには、えびフライが5本のっかっていました…。
北海道は、えびフライの量もスケールが違います。
豪華豪華(笑)。

その豪華ディナーを食べていると,食堂のおばちゃんが自分のもとにやってきました。
自分は、「タマネギ列車を撮りに東京からやって来た」と素頓狂なことを伝えると,
食堂のおばちゃんは,「そんな人よくいるよ」くらいの感じで、驚きもせず、

「今日の上りは遠軽側に原色がついていたから,明日の常紋越えは,先頭に原色がつくらしいよ。」

と教えてくれました。

「なんで食堂のおばちゃんがそんな情報を知ってるんだ!?」とも思ったが,これはビックな情報だ!
俺は「持っている!」と思いながら次の日に備えることに。

おばちゃんの会話の詳しい意味を解説は,マニア過ぎるので割愛。
ただ,「原色」とは,簡単にいえば国鉄時代の塗装そのままということで,鉄道ファン(マニア)の間で最も価値が高いと考えられている機関車のこと。
まあ,簡単にいえば、復刻版のお菓子とか見て,どう考えても今のお菓子の方が美味しいのに,懐かしいといって買ってしまうみたいなものです。
その「原色」を先頭に列車がやってくるので、絵になる写真が撮れそう、まあそんなところです。

意味が直ちに分かっちゃう人、いますか…?
あなたは確実にマニアです(笑)。

夜は宿の温泉につかり、気分は上々。
ヌルヌルしたお湯で、上がったら肌がすべすべになりました。

翌日,朝5:30に起床。
いよいよ常紋の山に入ります。

車のナビに存在する道はそうそうに終わり,途中から(砂利ではなく)砕石の道になり,時には牧場を通過したりして進みます(牧場の人すみません)。

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まだ道があるころの様子

さらに進むこと数十分,「あっ!」と思ったその瞬間でした。自分の目の前に鹿が突然現れ,鹿と目が合いました。
その後,鹿は線路の方に消えて行きました…。
北海道は本当に東京では考えられない色々なことが起こります。

次に,白樺の森が続き,その中を抜けて行きます。

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白樺の森の様子

その時,突然目の前に現れたのは,何と“熊の糞!”。
そして,横を見れば「クマ出没注意」の看板。
山の神々に祈りをささげ,さらに先へ進みます。

そこからどれくらいの距離を行ったでしょうか,目の前がパッと開けました。

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常紋の146キロポスト…!

そこには,赤や黄色に染まった常紋の山々,その合間を羊腸の線路が縫うように走る…
自分が夢見ていた世界がそこには広がっていました。

次回に続く…次回はいよいよ列車の登場です。